なんでも乳酸菌Q&A Vol.01「乳酸菌ってなんだろう?」

巷でよく「乳酸菌」という言葉を聞きますが、みなさんはその正体や姿、働きをご存知ですか?
日常の中で見聞きする言葉である一方、いまいち良くわからないな。という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、乳酸菌に関する基礎的な知識をQ&A形式でご紹介します。

Q1

乳酸菌とはなんですか?

A1

乳酸菌は微生物の一種で乳酸を作り出すことのできるとても小さな生き物です。

一般的に、乳糖やブドウ糖などの糖分を分解して乳酸を作る菌のことを総称して『乳酸菌』と呼んでいます。普段、私達がご飯を食べるように、乳酸菌も乳糖やブドウ糖などの糖分をエネルギー源としています。
“生きて腸ではたらく”イメージが強い乳酸菌ですが、乳酸菌自体が持つ成分や乳酸菌が作りだした物質にも、からだに良いはたらきが多く見つかっており、最近の研究では、乳酸菌の生死に関係なく、乳酸菌の様々なはたらきに注目が集まっています。

Q2

乳酸菌はどれも同じですか?

A2

現在までに35菌属300種以上が乳酸菌として登録されています。

これまで乳酸菌は、乳酸を作る量やどんな温度、栄養で育ちやすいかなどによって分類されていましたが、現在では遺伝子情報に基づく分類が進み、35菌属300種以上が乳酸菌として登録されています。
ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、ストレプトコッカス属といったいくつかのグループがあります。身近な例をあげると、「カルピス」には「ラクトバチルス・ヘルベティカス」という乳酸菌が含まれており、一方で「L-92乳酸菌」は「ラクトバチルス・アシドフィルス」という乳酸菌の一菌株です。
このように、みなさんがよく目にする乳酸菌飲料やサプリメントなどの商品には様々な種類の乳酸菌が使われています。
また、乳酸菌は自然界のあらゆる場所に生息しているため、まだまだ発見されていない乳酸菌もたくさんあります。

※出典:平山ら,腸内細菌学雑誌 30:17-28,2016

Q3

乳酸菌の大きさやかたちは?

A3

1つの菌の大きさは、とても小さくて肉眼では全く見えません。細長い形をしたものと丸い形をしたものがあります。

1つの菌の大きさは1~数μm(1μmは1mmの1/1000)ととても小さく、肉眼では見ることはできません。
例えば、乳酸菌飲料「カルピス」に使われている乳酸菌「ラクトバチルス・ヘルベティカス」は2μm(=0.002mm)なので、2500個の乳酸菌が1列に並んで、ようやく米粒1つぶの大きさになるほどの小さな生き物です。

乳酸菌の形は大きく分けて2つあり、細長い形をしたものと丸い形をしたものがあります。
細長い形をしたものが乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)、丸い形をしたものが乳酸球菌(にゅうさんきゅうきん)と呼ばれています。また、それぞれが複数つながった形の菌もいて、連鎖桿菌、連鎖球菌とよばれています。

乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)
乳酸球菌(にゅうさんきゅうきん)

※「カルピス」はアサヒ飲料(株)の登録商標です。